生き方の心理学

「生きる目的が分からない」究極の悩みを心理学で解き明かす

人は必ず死ぬ。

人生の終着駅は例外なく『死』だが、それまでの道のりは基本的に自由だ。

自分らしく、有意義で幸せな人生を手に入れるために頑張る人も多いだろう。

いい大学を出て、いい会社に入って、いい人と結婚した……しかし、そんな絵に描いたような幸せを手に入れたとしても、虚しさを感じてしまうことがある。

「何のために生きるのか?」
「どうしたら幸せになれるのか?」

消えない虚無感に苦しみ、苦しみから早く解放されたいがために「人生に目的など無い」と吐き捨て、無理矢理に自分を納得させてしまう。

それでも虚しさが消えることはなく、何かしらのキッカケで再び姿を現し、僕らを苦しめ続けるのだ。

このような究極の悩みでも、少し視点を変えただけで解消の糸口が見えてくる。

悩みが生まれる”根本的な原因”を潰すのだ。

悩みの元を潰せば、もう悩みが生まれることもなく、苦しめられることもない。

では、”生きる目的が分からない…という悩み”はどこから生まれるのか?

究極の悩みを心理学から解き明かそう。

なぜ生きる目的を知りたいと思うのか

今回は、『生きる目的が分からない』という悩みがテーマなのだが、なぜ生きる目的を知りたいと思うのだろうか?

生きる目的が分からなくても死ぬことはないし、それなりに人生を楽しみながら生きてきたはずだ。

にも関わらず、僕らはこのような悩みを持ち、哲学的あるいは科学的な答えを求め続けている。

 

僕らはある日突然、「何のために生きるのか?」という疑問を感じ、虚無感に苦しむことになった。

生きる目的を知りたいと思うのは”苦痛から解放されたい”からで、苦痛とは”欲求不満”のことである。

 

例を挙げよう。

食事をしたい → 空腹の苦しみから解放されたい(食欲が満たせていない)

寝たい → 睡眠不足の苦しみから解放されたい(睡眠欲が満たせていない)

生きる目的を知りたい → 虚無感の苦しみから解放されたい(○○○○の欲求が満たせていない)

ここまでのまとめ。

・生きる目的が分からなくても死ぬことはない

・生きる目的が分からないと精神的な苦痛を感じることがある

・生きる目的を知りたいと思うのは、苦痛から解放されたいから

・苦痛は”欲求不満”のこと

苦痛を解消するには、人間の欲求を理解しておくと良い。

人間の欲求を理解することで、自分や他人の悩みの本質に気付きやすくなる。

ということで、人間の欲求について簡単に説明していこう。

生きる目的の悩みが苦しいのは、”欲求不満”

マズローの欲求5段階説

マズローの欲求5段階説を聞いたことがあるだろうか?

心理学者アブラハム・マズローが人間の欲求を5段階に理論化したもので、下位の欲求が満たされると上位の欲求を満たそうとする理論だ。

第1層:生理的欲求
第2層:安全の欲求
第3層:所属と愛の欲求
第4層:承認の欲求
第5層:自己実現の欲求

現在の日本は、戦争もなく、言論の自由もあり、さらには余程のことがないと食事や住む場所に困ることもない。

このような環境では、第4層までの欲求を満足しやすいと言える。

(もちろん、大きな事故や犯罪・イジメなどによって欲求が欠乏するときもある)

欲求を満足する例
・食事や睡眠は十分取れている。(生理的欲求を満足)

・安定した会社に勤めている。(安全の欲求を満足)

・家族や恋人、あるいは仲間がいる。(所属と愛の欲求を満足)

・周囲から信頼や評価を得ている。(承認の欲求を満足)

第4層までの欲求を満足している……にも関わらず、僕らは生きる目的が分からず虚無感を感じて苦しんでいる。

苦しみの原因として考えられる欲求は1つしかない。

“自己実現の欲求”だ。

ちなみに、先ほど例に挙げた空腹や睡眠不足は、第1層の生理的欲求なので最優先で満たそうとする。

空腹や睡魔で苦しんでいるとき、僕らは”生きる目的が分からない”という悩みは意識せず、一刻も早く「食事をしたい」「寝たい」と思うのは欲求の階層が低く優先度が高いからだ。

 

このように、僕らは第1〜第4層までの欲求を既に満足し、さらに上位の欲求を満たしたいと思っている。

自己実現の欲求を満たすことができれば、虚無感の苦痛からは解放され、生きる目的に悩むこともなくなるのだ。

どうすれば生きる目的に悩まなくなるのか

生きる目的の悩みは、苦痛(自己実現の欲求不満)を解消したいと思う気持ちの表れだ。

では、なぜ自己実現の欲求を満たすことができていないのか?

考えられる要因は2つだ。

①自己実現の方法が分からない

②自己実現の方法は分かっているが、なんらかの障害要因があって実現できない

自己実現の方法が分かっていれば、後は障害要因を潰せばいいだけなので、”生きる目的が分からない”という迷宮に近い悩みを持つことはないだろう。

よって、僕らが自己実現の欲求を満たせないのは、①自己実現の方法が分からないからだと想像できる。

 

こうして答えは導き出された。

僕らは”生きる目的”を知りたがっていたが、本当に知るべきことは『自己実現の方法』だったのだ。

自己実現の方法を知り、欲求不満から解放されれば、虚無感の苦痛から解放されるだろう。

現在の日本は恵まれており、余程のことがないと日々の生活に困ることもない。

このような環境では、第4層までの欲求を満たしやすく、第5層の欲求を満たすことが生きる目的になりやすい。

例)欲求によって異なる人生の目的
『第1層 生理的欲求の満足』が生きる目的の場合

 → とにかく生きる(目的は生きることそのもの)

『第5層 自己実現欲求の満足』が生きる目的の場合

 → 自己実現のために生きる

少し極端な言い方をすると、「生きる目的=自己実現をすること」となっているのが今の日本だ。

自己実現への道を見つけることができれば、それが自分の生きる目的となるだろう。

関連記事:【心理学】自己実現をするための方法〜とにかく『得意なこと』を追求せよ

生きる目的が分かれば、どんな良いことがあるのか?

僕らは、映画やドラマで「こんな生き方がしたい」と思うことがある。

それらは多くの場合、言いたいことをハッキリ言う人だったり、やりたいことを思う存分にやる人だったりするのではないだろうか?

その人たちに惹かれるのは、僕らが求める”自己実現の欲求”を満足している(ように見える)からだ。

芸能人やタレント、SNSのインフルエンサーに惹かれるのも同じ理由である。

生きる目的が見つかると、自分の世界が大きく変わることになる。

僕らは日常で様々な選択をしているが、多くの場合「なんとなく」で選んでいる。

しかし、生きる目的(ゴール)を見つけることができれば、そのゴールに向かって最善の選択をすることができる。

また、自分にとって不要なものの判断もできるようになり、人に流されることもなくなる。

生きる目的が分かれば、『自分らしく生きることができる』ようになるのだ。

要点のまとめ

今回は、「生きる目的が分からない」という究極の悩みについて書いてきた。

最後に要点を整理しよう。

要点まとめ

悩み:生きる目的が分からない


なぜ生きる目的が知りたいのか?


苦痛を解消したいから


苦痛の根本原因は、自己実現欲求の不満


欲求を満足するには、なりたい自分を探すことから


なりたい自分 = 人生の目的


人生の目的が分かると、自分らしく生きることができる

今回は、生きる目的の悩みが、どんな苦しみから生まれているかを分析し、その苦しみ(欲求)を解消するにはどうすればいいかを考えてきた。

このように、悩みの本質が分かれば、苦しみを解消する別の手段を見つけることができる。

なりたい自分が見つかったとき、あなたの世界は大きく変わるだろう。

この記事が何らかのヒントになれば幸いだ。

 

自己実現をするためのヒントを書いたので参考にしてほしい。

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