「お金で幸せは買えるのか?」
誰しも、一度はこのような疑問を持ったことがあるのではないだろうか?
今回はこの疑問に対して、心理学を元に回答したいと思う。
先に結論を言ってしまえば、
お金で幸せは買える。
ただし『最後の幸せ』だけは買えない。
お金で幸せが買える理由、そしてお金で買うことができない『最後の幸せ』を科学的に説明しよう。
人間は欲求を満たすことで幸せを感じる
あなたはどんな時に、幸せを感じるだろうか?
・美味しいものを食べたとき
・大好きな人と結ばれたとき
・尊敬する人から賞賛を得たとき
・仕事が成功したとき
幸せだと感じることは人それぞれだろう。
しかし、科学的に感情を分析すると、欲求を満たした時に幸せを感じるということが分かる。
人間の欲求の観点から、お金で幸せが買えるかどうかを考えていこう。
人間の欲求は5つに分類される
人間が幸せを感じるのは欲求を満たしたときだ。
そんな人間の欲求は、次の5つに分類することができる。
第1層:生理的欲求
第2層:安全の欲求
第3層:所属と愛の欲求
第4層:承認の欲求
第5層:自己実現の欲求
生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求は、欠乏欲求と呼ばれる。
何か欠けているものを満たそうとする欲求だ。
関連記事:欠乏欲求と成長欲求|なぜ人間は依存から抜け出せないのか?
人間のほとんどの欲求は欠乏欲求によるもので、これらはお金さえあれば満たすことができる。
お金で幸せは買える
人間が幸せを感じるのは欲求を満たしたとき。
そして人間の欲求は5つに分類され、そのうち4つの欲求(欠乏欲求)は、お金があれば満たすことができる。
これは、お金で幸せが買えるということにつながる。
生理的欲求をお金で満たす
生理的欲求の代表例は、食欲・性欲・睡眠欲。
金があれば食事には困らないし、夜の店で金を払えば性欲も満たすことができる。
また、金さえあれば働かずとも好きなだけ寝ることができる。
安全の欲求をお金で満たす
安全の欲求とは、安定した生活のこと。代表例は家だ。
金さえあれば、住む家に困ることはない。
所属と愛の欲求を金で満たす
所属と愛の欲求とは、親友や恋人・家族のこと。
お金がある人間には良くも悪くも多くの人間が集まる。
当然、金目当てで集まる人間もいるだろうが、中にはあなたと相性がぴったりの人間もいる。
2:6:2の法則があり、どんな人間であろうとも2割は味方になってくれる。
承認欲求を金で満たす
承認欲求とは周囲からの評価だ。
資本主義社会では、能力や運が無ければお金を手に入れることができない。
このため、お金がある=能力や運があるということで、周囲の人間から認められることになる。
このようにお金があれば、多くの欲求を満たすことができる。
しかし、「最後の欲求」だけはお金で満たすことができない。
最後の幸せだけは金で買えない
お金があれば様々な欲求を満たすことができるが、最後の自己実現の欲求だけはお金で満たすことができない。
自己実現の欲求とは「自分の才能を追求し、最高の自分を実現すること」。
なんとなく分かると思うが、金があったところで自分の才能を開拓しなければ、自己実現の欲求を満たすことはできない。
金さえあれば、ほとんどの幸せを買えるものの、最後の幸せだけはお金では買えないのだ。
最後の幸せを手にできない人間の苦しみ
お金で様々な幸せを手にしたものの、最後の幸せ『自己実現欲求の満足』を感じることができない人間にはどのような未来が待っているのか?
それは虚無感だ。
自己実現の欲求とは、最高の自分を実現することであり”人生の目的“とも言える。
この欲求が満たされないということは、人生の目的を達成するために進めていないということ。
この状態に陥ると「何のために生きるのか」と虚無感に苦しむことになる。
あなたも一度は感じたことがあるのではないだろうか?
たとえ宝くじで多額のお金を手に入れ、あらゆる欲求を満たしていったとしても、自己実現ができなければ、虚無感に悩み苦しむことになってしまうのだ。
関連記事:「生きる目的が分からない」究極の悩みを心理学で解き明かす
お金が無いと不満をもらす人間の心理
お金があっても、最後の幸せを手にすることはできない。
にも関わらず、僕らは常にお金を求め、「もっとお金があれば幸せになれるのに…」と日常に不満を持っている。これはなぜだろうか?
これは、多くの人間が欠乏欲求を満たそうと行動しているからだ。
欠乏欲求を満たすには、少なからずお金が必要になる。
また、欠乏欲求は、欲求を満たすことで元々の欲求を忘れて違う欲求を求めるという特徴がある。
このため、常にお金を求めてしまうのだ。
どうしても欲しかったものを手に入れたとしよう。
その瞬間は幸せを感じるものの、少し時間が経つと幸せは薄れ、違う悩み(欲求)が出てきた、このような経験はあるのではないだろうか?
これが欠乏欲求の典型的な例だ。
自分のスマホが欲しい、自分の車が欲しい、自分の家が欲しい…欠乏欲求を見たし続けるにはお金がかかる。
では、お金がないと幸せを維持することはできないのだろうか?
お金が無くても幸せを感じ続けられるコツ
僕らがお金をかけずに幸せを感じつづける方法についてだ。
方法は2つある。
1つ目は、成長欲求を満たし続けること。
成長欲求は、才能の開拓→目標の達成→欲求の増幅→才能の開拓…と循環される欲求という特徴がある。
このように成長欲求には果てがないため、好循環を作り出すことができれば欲求を満たし、半永久的に幸せを感じつづけることができるのだ。
2つ目の方法は、欠乏欲求をリセットすること。
欠乏欲求を満たし続けるには金がかかるのだが、これまで満たし続けてきた欲求をリセットするという荒技がある。
例えば、断食をすることで生理的欲求を極限まで欠乏させることができる。
断食後に食べるものが死ぬほど美味いのは、欲求がリセットされているからだ。
これと同様に、住む場所を変えたり、転職をしたり、自分の環境を変えることで欲求をリセットすることができる。
もちろん、欲求をリセットするには苦痛が伴う。
その苦痛を乗り越え、ゼロになった器を満たしたときに、これまでは何とも思っていなかったことが最高の幸せだと感じることができるはずだ。
要点まとめ
今回は、「お金で幸せが買えるのか」という疑問について書いてきた。
最後に要点を整理しよう。
疑問:お金で幸せは買えるのか
結論:金があれば様々な欲求を満たし幸せを感じることができる。
ただし「最後の欲求」だけは満たせない。
こう考えると、働いてお金を求めるような生活では、いずれ欲求を満たせなくなり、人生が苦痛になるということが分かる。
僕らが幸せを感じつづけるためには、苦痛を凝縮してこれまでの欲求をリセットするか、成長欲求を追求し続けるしかないのだ。
成長欲求を追求していくためのヒントを書いたので参考にして欲しい。